〜La Bambaの旅行記〜
(2002年8月2日〜4日)

※この旅行記は、「La Bamba スペインMBA留学奮戦記(http://homepage2.nifty.com/labamba/)」より転載しています。

 8月2日(1日目)

今日から日曜日まで、IESE時代の友人とIbizaに行ってきた。

 皆それぞれ働いている場所が違っており、マドリード、バルセロナの2都市から現地に合流したのであった。
 僕の飛行機は、19時着だったので、1時間前に空港につけば良いなと思って、1時間半前に余裕を持って、バルセロナの家からタクシーに乗った。しかし、運ちゃんは何を思ったか、工事で渋滞しているルートを選択してしまった。「それは違うだろ」と突っ込んだ時は既に遅かった。ボッタくろうとしているのか分からなかったが、渋滞を抜けるまでに軽く30分以上かかった。
 「こんなんで今回の旅行がポシャったら洒落にならんな」といらいらしていると、ようやく高速に抜け出し、その後は、運ちゃんも僕の並々ならぬ決意を察したのか、150キロ以上で飛ばして空港に到着。それでも、出発まで、40分くらいしかなく、しかも、今回、初めて「Electronic ticket」なるものに挑戦したので、冷や冷やであった。が、そこは全てがスペインらしく飛行機も30分遅れているとの事で、飛行機を逃さずにすんだのであった。

 BarcelonaからIbizaは40分程度のフライトで、空港についたら先発組のPatrikとJorgeがレンタカーで迎えにきてくれていた。今回は、レンタカーを2台借りて行動することにしたのである。ちなみにこの二人は、DukeとCornellに交換留学に行くため、今回の旅行が終わると、次に会うのが来年の1月になってしまう。

 今回、我々が滞在するのが、Ibizaの北のほうにあるSan Antoniという、空港から車で20分ほどの郊外である。この時期のIbizaは狂っていて、殆どのホテルが予約済みで、かつ料金も、オフシーズンの2倍ととんでもないことになっていて、本来なら、Ibiza Townと呼ばれる中心地に滞在したかったのだが、無理で、結局、Patrikの知り合いがいるホテルを見つけることが出来たのである。料金的には、朝・夜込みで1泊45ユーロ(5000円)とまぁまぁ安かったので良かったが、車無しでは非常に不便な場所であろう。

 Ibiza自体、ヨーロッパ中から集まってくるのだが、このSan Antoniという場所、特殊な地域で、観光客の95%以上がイギリス人である。したがって、ホテルの宿泊客もイギリス人ばかり、なんと朝飯は、English Breakfastというのは驚きであった。

【ホテルからの夜景】

 僕が最後に到着したことになり、ホテルで皆に合流した。

 Ibiza自体は、異常に物価が高いので、それぞれ、ウィスキーやVodkaのボトルを持参してきており、ホテルで飲んでから行くことにした。Patrikがスピーカーを持ってきてくれていたので、それに僕のMDをつなげて、こないだ買ったDisco Estrellaを聞く。飲みながら、どこのClubに行くか話し合う。これがかなり重要で、その日のDJやイベントを見て決めるのである。
 昨日からIbizaにいる組は、事前学習せずに、EdenというSan Antoniにあるクラブに特攻し、若いイギリス人ばかりで音楽も最悪だったといっていた。やはり、Internationalな雰囲気を味わうならIbiza Townだろうということで、今日はPachaというMinistry of Soundと提携しているところに行くことにしたのである。

 とはいうものの、まだ時間は午前1時で、3時くらいにならないと盛り上がらないので、近くのバーで飲んでから行くことにした。クラブの近くにでっかい駐車場があるのだが、これは居酒屋の前の駐車場みたいなもので、飲酒運転を黙認しているも同然である。

 クラブで飲んで出来上がったところで、午前4時にPachaに突入する。なんと入場料50ユーロ(6,000円)とのこと。それでも長蛇の列で、並んだ後に何とか入ることが出来た。迷子になりそうなくらい巨大なクラブで、どこからこんなに人が涌いて出てくるのだろう、というくらいの盛況である。はっきり言って、場所が多すぎるのと、人が多すぎるので、迷路になりそうであった。
 音楽自体は、大音量で腹に響くほどであったが、トランスと呼ばれる音楽で、ハードすぎで余り僕の好きな音楽ではなかった。

 朝の7時半くらいに、クラブのテラスに行って、日の出を見ながら座ってくつろいでいると、Patrikがグラスを持ったまま爆睡している。よっぽど疲れてるんだろうなと思って観察していたら、持っているグラスを落としてしまい、グラスが割れてしまった。しかし、それに全く気付かずに爆睡しつづけるPatrik。面白かったが、知らない人の振りさせてもらいました(笑)

 そして、ホテルに戻ったのは、朝の8時半で、そのままEnglish Breakfastを食べる時間となっていたのである。オレンジジュースをがぶ飲みすると、味がちょっと違う。皆、こっちを見ながら笑っている。ちょっと僕が席を立っているときに、僕のオレンジジュースにJack Danielを入れてくれたらしい。「朝からJack Danielはねぇだろ」と思いながらも、朝食を食べるとそのまま爆睡したのであった


 8月3日(2日目)


 13時ごろに掃除のおばちゃんが来たので、仕方なく起床することにした。Patrikは、「目を覚ます」と言って、ホテルのプールで泳いでいたが、そんな元気は無論僕には無かった。
 
 とりあえず、ビーチで昼寝することにして、一番人気があるといわれるLas Salinasというビーチに出かけていった。申し訳なかったが、あまりに眠かったので、車の後部座席でまたしても爆睡してしまった。しかし、僕の睡眠能力は既にIESEで折込済みであるので、誰も驚かずほっておいてくれたようだ。

 ここのLas Salinasは、はっきり言って、Barcelonaのビーチは比べ物にならない。生きているうちに一度いかれることをお勧めします。レゲエなどの音楽が大音量でかかっており、それをバックに汗をかきながらも、またしても爆睡してしまった。
 ある一定を超えると、暑くてたまらなくなるので、海に飛び込む。この海がまた綺麗で、まさにスカイブルーという表現がぴったりであろう。泳いでは、背面になってぷかぷか浮いている時ほど、気持ちのいい時は無い。浮力が強いのか、あまりに気持ちよくて、途中で寝そうになってしまうくらいであり、自然に溶け込んでいるような気分が味わえる。が、高波に襲われ、海水を飲むことになるのもしばしばである。泳ぎ疲れのどが渇いたらビールを飲み、再び爆睡。「脳みそがとろける」という意味が分かってきた気がした。

 そんなときに、IESEの同級生で、LondonのIB(投資銀行)で働いている友人から電話がかかってきた。「朝の8時から夜の23時まで毎日仕事だ」と嘆いていた。スペインのマッキンゼーも、同じような状況らしい。朝の5時まで働いたことがあると言っていた。やはり、業種によってはかなりのハードワークのようである。間違ってもそっちの道に行かないようにしようと、Ibizaのビーチを見ながら心に誓ったのであった。

【Las Salinasにて】

 さて、お腹がすいてきたので、ビーチにあるレストランで昼食することになった。そこで、もちろんサングリアを頼み、すっかり気分が良くなって、空を見ると既に日が沈みかけていた。「おー、Cafe del Marに行かなければ。これはmustだ」と急いで移動することに。このCafe del Marで日の入りを見るのは、Ibizaに来るからには絶対に外せないのである。

 到着すると、そこにはカメラを持った人々で埋め尽くされていた。
 ここで日が沈んでいくさまを見ていると、”外せない”という理由が良くわかった。また、バックでかかっている音楽がChilloutといわれる種類の音楽らしく、メロディアスでこの状況をさらに盛り上げてくれるのだった。

【CoronitaとSunset】
【日の入りの瞬間】
【神秘的な空】
【日の入り後の火を使ったパフォーマンス】

 Sunsetを鑑賞して大満足の我々は、帰りの渋滞に巻き込まれながらもホテルに戻り、今日の夜に出陣するクラブについて、議論していた。満場一致で、Manumissionのある世界最大のClubであるPriviledgeに行くことに決まった。そうと決まったからには、出かける前に一眠りしようということになり、22時から2時間だけ寝ることにした。

 ところが、なんと、なんと、あろうことか、全員寝過ごしてしまったのである。時計を見たら既に朝の8時になっているではないか?

信じられないが、全員が全員、寝過ごしてしまったのである。一人が寝過ごしても誰かおきるだろうと思っていたのが甘かった。朝の8時くらいにまだあきらめきれないメンバーは、「今からでも遅くない」とわめいていたが、既に遅いのは明白であった。

 Ibizaは体力が無いとやっていけない街だと痛感させられた一日であった。


 8月4日(3日目)


 済んだこと(寝過ごしたこと)はしょうがないので、気を取り直して、ビーチに行くことにした。
 今日は、Cala Carboという昨日とは違うビーチに行ってみた。本当に小さいビーチで、駐車する場所を見つけるのが大変だった。スペインは、路上駐車が許されているので、縦列駐車が上手くないとやっていけないだろう。(ちなみに、僕は運転苦手ですが) 

 岩が背景にそびえて神秘的な雰囲気すらする海岸であった。

【Cala Carbo】

 レストランもあったが、残念ながら音楽が無かったので、一泳ぎした後、昨日行ったLas Salinasに戻ることにした。
 Las Salinasでは昨日とは違うレストランに行った。もちろん、ここは海の幸が堪能できるところなので、えびの丸焼きを注文した。飲み物はもちろん、昨日に引き続きサングリア。これですっかり酔っ払ってしまい、その後は、例のごとく、ビーチで爆睡し、暑くなったら、海で泳ぐというサイクルを繰りかえしていると、帰りの飛行機の時間が近づいている。

 というわけで、後ろ髪を引かれながらも、22時発の飛行機に乗るため、空港まで送ってもらい、Ibizaを後にしたのだった。他のメンバーは、もう一日滞在していくとの事。IESEを卒業する前にまた一緒に旅行しようということで別れたのであった。次は何処に行くことになるのだろう?南アフリカのサファリなどいう案も出ていたが、どうなることやら。この年になって一緒に馬鹿が出来る友人がいることは貴重なことかもしれない。

 Ibizaはスペイン人が凄い場所というだけに、本当に想像を超えたところだった。

 PriviledgeのManumissionに行けなかったのは残念だが、「2泊3日でお腹いっぱい」という感じである。1週間いることを想像すると、かなりの体力とお金が必要であろう。本当に疲れた。が、このクレージーなアイランドに、一度は行かれて見る事をお勧めしたい。

 日本のDJの方も活躍されているようなので(確かSatoshi TomiieというDJがリストアップされていた)、日本からのツアーを利用するのも一つの手であろう。

【透き通るような海@Las Salinas】



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