〜かわぐちの旅行記〜
(2001年3月中旬)


 1日目

マヨルカ島からあこがれのイビサに着く。
ここまで来るにはずいぶん長い時間かかった。プロペラの飛行機は見るのも乗るのも今回が初めてだった。

空港からとりあえずタクシーを拾って、予約しているホテルまで行くことにする。窓から見える街並は、クラブアイランドとはかけ離れたヨーロッパの落ち着いたリゾートそのものだった。

宿泊したホテルは、モンテローザというイビサのメインストリートの端にある所だ。窓の無い湿った部屋だったが、その当時は学生だったし贅沢は言えない。

とりあえず、荷物を預かってもらい街に繰り出す。
まずイビサと言えば目につくのは、ダルツ・ヴィラである。とにかくこの城を探検してみないわけにはいかない。歩き回ると思っていたよりも広いし、上るのに疲れる。そこで迷路のような城探検をした後、街に出てお昼を食べる。近くの昼から開店するケンタッキーに入る。この国はファーストフードもファーストではないようだ。

午後はひたすら街を探索してみる。
シーズンオフではあるが、大半のお店はやっていた。
まずレコード屋!と思って行っては見るものの大したことはなかった。日本のレコード屋の方が品揃えは全然よい。とりあえず店員に週末空いているクラブは?と質問してみる。「パチャだね!」という答えが返ってきた。週末に行くことに決める。
とにかく地図片手の街散策をして一日が終わった。しかし、都市とは違い疲労というものはあまり感じなかった。良い意味で目新しさはなく、落ち着ける場所であった。以前にイギリスで買ったイビサ雑誌から想像していたイメージはだいぶ裏切られた!もっと騒がしい場所かと思っていたから。

 2日目

海に行くことにする。イビサと言えば何と言っても海である。

時間はたっぷりあるが、どのバスに乗れば行けるのかはわからないので、タクシーを拾うことにする。こちらでの運転なんて考えられなかったから。国際免許を持ってこなかったが、心配が徒労になるほど、道は街を抜けると一直線だった。ギアは4速入れっぱなし。免許持ってくれば良かったと思う。

とりあえずサス・サリーナスに着く。
案の上この時期に誰も泳いでいる人間はいない。しかし、とにかく静かできれいだった。とにかく海岸をひたすら歩く。砂浜に腰を下ろし、その雰囲気にひたる。しばし波の音を聞きながらリラックスだ。
その後、近くのカフェでブランチを食べる。オーナーらしき人が声をかけてくる。日本から来たというと、地図を見せながらいろいろイビサについて教えてくれた。夏は混んでいて最悪だよと言っていた。そうなのかな?

その後、ボラ・ボッサにタクシーで向かう。
もちろん誰も泳いではいない。ここまで来ると、イビサの中心まではそう遠くはないので歩くことにする。さすがにホテルに着いたときは疲れ切っていたが、そののんびりした雰囲気のイビサ島をこれでもかと言うほど歩けたことは貴重な経験であった。

 3日目

とりあえずイビサの歴史を語っている旧市街にある博物館を見てみることにする。
読めるのは英語での表記しかないし、世界史をきちんと勉強したことはないが、なかなかその歴史は興味深いものであった。旧市街は迷路のようになっていて、昔のスペインらしい面影を強く残している。



この日は特にすることがなく、市場を覗いたり、本屋に行ったり、街をずっとぶらぶらしていた。さらに時間があったのでバスでサン・アントニオまで足をのばす。ビーチでは砂で仏像を作るヒッピーがいたりした。こういう東洋志向は日本人としては微妙である。

カフェ・デルマールは残念ながら改装のため休みだった。知り合い(以前LOVEPAという雑誌を作っていた編集長)の友達のDJに会えるかと思ってきたのに。しかし、カフェ・デルマールから見る夕日は生涯で一番美しいものだった。感動!その感動と共にイビサにまたバスで帰る。

夜にパチャに行く。
椰子の木がある老舗のクラブだ。12時から開店!日本に比べるとずいぶん遅い始まりだ。音は2ステップだったし、人はまだ少なかった。一体何時に盛り上がるんだろう?激しく踊ることもなく、ここがパチャなのね〜と田舎ものの感覚でしばらくいて帰った。夏の盛り上がっているときにまた来たいな。

 4日目

車が無いとなかなか動けないので、熟考の末フォルメンテーラ島に行ってみることにする。

ちょうど高速船がホテルの近くの港から出ているので、乗ってみる。
約一時間かけて、やっとフォルメンテーラ島に着く。やっぱり人はこの時期なので少ない。

バスの数もかなり少ない。たまたま来た港に来たバスに乗り込む。ここまで来るとどこへ行くかはもう風任せ状態。でも行くならビーチってことでビーチに行く。まばらではあるが泳いでいる人がいた。
もうすることなんか何もなく、海を眺めながら、静かな波の音を聞いたり、途中で買った雑誌を読んだり、音楽を聴いたりした。



しかし、ここまで来たのは良いが、帰りたくともバスがまた来ない。ひたすらCDを聴きながら待って待って待つこと3時間半。やっとバスが来た!こんな経験は東京じゃあり得ない。
無事夜にはイビサへと帰る。

帰りの船から見るイビサの景色はもう何とも言えないほどすばらしかった。これもまた感動。



でも夕飯はバーガーキングだった。

 5日目

さよならイビサの日である。
観光名所を巡ったわけでもなく、クラビングをしまくったわけでもないけど、なぜか心地よく帰りたくない衝動に駆られていた。不思議な島である。

そんな後ろ髪を引かれる気持ちのまま、次の目的地バルセロナに向かう。

アディオス!イビサ!

 後日談

イビサに行ってからずいぶん経つけど、あんなに有意義な一人旅はもう二度とできないだろうなと思います。今でもDVDを見ながら、思い出に浸ります。毎日オフィスで暮らす生活を送っていると、あのゆったりとした時間を過ごした日々が非常に贅沢であった気がします。
日本からもっと簡単に行けると良いんだけどな。


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